村上監督
TAKESHI MURAKAMI
村上武資
フェドカップ代表監督
ボクはテニスオタク。
朝から晩まで、ビデオをみてた。
むらかみたけし 2009年3月フェドカップチーム監督就任。1965年2月23日生まれ。全日本ジュニア16歳以下単複優勝、高校総体単複準優勝、全日本ジュニア選抜室内18歳以下単優勝、86年アジア大会出場。プロ転向後、88・89年全日本選手権複準優勝、90年全日本プロ選手権複優勝。98年全日本選手権を最後に引退。03年よりナショナルコーチ就任。03〜07年ジュニアデビスカップ16歳以下男子日本代表監督、08年ジュニアフェドカップ16歳以下女子日本代表監督を務め、錦織圭、杉田祐一、守屋宏紀、森田あゆみ、瀬間友里加、奈良くるみなどのジュニア四大大会遠征などを引率。05年よりJOCジュニア強化コーチ、08年よりJOC専任コーチングディレクター(ジュニアアスリート担当)。現在はナショナルトレーニングセンター(NTC)を中心に活動中。
 
 
グランドスラム開催国なら、年中ATP、WTA、デビスカップ、フェドカップなどの試合がテレビ放送されている。グランドスラムは来場者が連日5万を超える一大エンターテインメントである。テニス観戦後進国である日本の「テニスをみる文化」が育ち、より多くの強い選手を輩出するためには━━━
取材/文/写真 (NTC):地引淳志
写真(2009年フェドカップポーランド戦):佐藤ひろし
 「ボクは、テニスオタク。テニスをみるのが大好きです」。インタビューに応えた村上武資監督の最初の言葉だ。  父親の影響で小学六年生からテニスを始めるのと時を同じくして始まったテレビ番組「ワールドビッグテニス(テレビ東京系。1976?90年、渡辺康二元日本代表選手・監督ほかの解説)」の全てのプログラムをビデオ録画したという。世界のトッププロのプレーを、それこそテープがすり切れるほど繰り返し観て、真似をすることで、自分のプレーを築き上げていった。  「レンドルのバックハンドは、死ぬほど観ました。一時停止にして、コマ送りにして……グリップを、テイクバックを、ボールの追いかけ方をつぶさに観察しました。朝から晩まで」

世界トップクラスのジュニアのテニスをみて
 同じ小学六年の時、日豪ジュニアの親善試合が東京で行われ、母親に連れられて観戦した。  「日本ジュニアのトップ選手がオーストラリアのジュニア選手に次々と惨敗していく姿を目の当たりにしました。日本の選手のストロークはフラット、スライスが主体なのに対して、オーストラリアの、しかもジュニアのテニスは……その華麗なスイングは今でも鮮明に覚えています」  この体験がテニスへの興味を動かないものにするターニングポイントとなった。  自分も「あんな風になりたい」と、試合が終わるのも待ちきれないほどに興奮したまま、知人にラケットを借りてその場でテニスをした。  「オーストラリアの選手のプレーをみていたら、もの凄くテニスがしたくなってたまらなくなった。全身で、五感で刺激を感じたのだと、今では分かります」
本物をみることの意味を身をもって感じたのだった。監督となった今、テニスへの興味が高まって好きで好きでどうしようもなくなってテニスがやりたくなったこと、本物をみることの大切さに気づいた時のことを、選手や指導者たち、より多くのテニス愛好家に伝えられるかが自分の仕事のひとつだという。
みる、見る、観る、診る
フェドカップチームを率いるようになって新たなテニスのみ方が加わったたことを、楽しんでいるようにみえた。ここナショナルトレーニングセンターでは国立スポーツ科学センターの協力でさまざまなアングルでプレーを撮影・分析し、戦力強化スキームをアップデートしている。

 

 

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